木造校舎の記憶

こんにちは、スタッフ智恵です。
春のお彼岸。信州上田の別所温泉までお墓参りに行ってきました。

上田と別所の記事をMyLohasに書いています。

別所温泉駅で借りた自転車で菩提寺まで向かう途中に、さくら国際高等学校があります。この建物を見るたびに、母校・大野川小中学校の今は無き木造校舎を思い出します。

♪北アルプスに名も高い 乗鞍の峰その麓
見よ 風薫る 高原に
松の若葉と色合わす 緑の校舎光る窓
大野川 大野川 おお 安曇大野川♪

と、校歌にも歌われる木目の壁と緑色の屋根は、乗鞍の自然溢れる風景と調和して美しかったなあとを記憶しています。
木造校舎ならではの行事として「床磨きとワックス掛け」がありました。

四季のうたの内装にも多くの木材が使われているのですが、二階に上がる階段、一階の廊下の床は季節毎に汚れを落として、ワックス掛けをして、ピカピカに磨き上げていました。

それを見た小学校の先生が「同じようにワックスを校舎の床にも塗布したい」と材料を購入して、床磨きからワックス掛けまでを小学生だった私たちで行っていました。

日々の汚れは、終業後の夕方、る児童生徒が掃除用具を使って清掃しています。
それでも床の汚れは少しずつ溜まっていくもので、床磨きをすると出るわ出るわ!デッキブラシで汚れを落とすのがとても楽しかったのを、書いていて思い出しました。

今は鉄筋コンクリートの頑丈で寒くない校舎に建て替わり、今乗鞍で暮らす子供たちの学び舎として活躍していますが、日本や台湾で木造の建物を見かけると「かつての学校の姿」を思い起こして胸がきゅーんとして立ち止まってしまいます。

そんなことを考えながら、さくら国際高等学校を撮影していたら、地元のお父さんが話しかけて来てくれました。

「おれはここの小中を出たんだよ、今残っているこの建物を見ると当時を思い出して懐かしいし、こうして興味を持って写真に写している人を見るとつい話しかけてしまうんだよ」
という話から、カメラのこと、健康のことで盛り上がり笑、30分ほど立ち話をしました。

人は忘れていく生き物で、万物はいつか消えてしまう運命にあります。
ただ、心の片隅の引き出しに、そっとしまってある思い出やエピソードがその人ごとにあるように、建物や事物にもそれぞれの時空の中で物語が紡がれているんだよな、と思うと、思い出を語ったり共有したりできる人間の感性って素敵だなと感じてうれしくなりました。

四季のうたにも同じように、過ぎた時間と、さまざまな物語がありました。

この先、どんな物語が新たに生まれてくるのでしょうか。縦糸と横糸を紡ぐように、過去と現在と未来、関わってくれる人たちの思いや夢が交わっていくこと、さまざまな色に織り上がっていくことを想像するとワクワクします!

P.S.
ちなみに、さくら国際高等学校で出会ったお父さんの別所なおすすめは湯加減が絶妙な「大師湯」と「田辺温泉」だそうですよ〜!

かなでプロジェクト@信州乗鞍